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技術コンサルティング​事例

導入企業: トビラシステムズ株式会社(東証スタンダード)
 

トビラシステムズ株式会社は、 "私たちの生活 私たちの世界を よりよい未来につなぐトビラになる"を理念とし、テクノロジーで社会課題の解決を目指す企業です。迷惑電話フィルタ「トビラフォン」の開発で培ったノウハウを活かし、現在は法人向け電話サービスの提供にも取り組んでいます。

事例のポイント

ageetは、トビラシステムズ株式会社の技術コンサルティングを行いました。ageetが持つ、IPネットワーク通信における音声品質の問題解決能力や、IP-PBXチューニングの専門性、進化し続けるスマートフォンプラットフォームでの迅速な開発力が評価されました。
コンサルティングを通じて資本業務提携にも発展し、両社は相互のネットワーク
やリソースを活用し、ビジネスチャンスを広げることが期待されています。この事例は、ITベンチャー企業が技術的専門性や組織の柔軟性を活かして大手IT企業に価値を提供する典型例であり、今後も協力関係が増えることで双方に良い効果が生まれることが予想されます。
この背景にはどういった思いがあったのか、技術コンサルティングによる課題解決や、資本業務提携に至るまでの経緯についてインタビューしました。

トビラシステムズ

お話を伺った方:(写真左から)トビラシステムズ株式会社 技術部の松原さん、藤井さん、瀬戸口さん

貴社の事業内容を教えてください

松原さん: 

トビラシステムズは、固定電話及び携帯電話に対する迷惑電話や特殊詐欺電話のブロックサービスを主な事業として展開しております。自社が保有する独自のデータベースを使用して、迷惑電話を阻止したり、着信時にユーザーに警告したりします。さらに、フィッシング詐欺や迷惑SMSのブロックサービスも行っています。当社のサービスは、大手通信キャリアを介して顧客に提供され、ユーザーは全体で1,500万人を超えています。

これまでに蓄積した電話に関する専門知識を活用し、現在は法人向けの電話サービスも展開しています。法人向け製品「トビラフォン Biz」では、PBXとビジネスフォンの間に装置を設置し、企業が受ける迷惑電話のブロックや通話録音、通話の集中管理などにご活用いただいています。加えて、2020年からクラウドPBXサービス「トビラフォン Cloud」を提供しています。これにより、スマートフォンに専用アプリをインストールし、法人用の携帯電話としてご利用できるようにしています。
 

松原さん

自社初のクラウドPBX開発、音声品質に課題

当時、どういった課題をお持ちでしたでしょうか?

松原さん: 

クラウドPBXサービス「トビラフォン Cloud」で課題を抱えていました。当時、クラウドPBXサービスの開発は当社にとって初の試みだったため、日々試行錯誤する中で多くの課題が出てきました。例えば、携帯電話の通話品質と比較すると、どうしても音声品質に大きな差が出てしまう課題がありました。また、特定の環境下で通話した場合に、通話が途切れたり、片側で通話が聞こえなくなってしまったりする「片通話」の問題も発生していました。

クラウドPBXの開発について自社にノウハウが少ないため、当初は疑心暗鬼になりながら開発を進めていました。使用しているコーデックが適切なのか、通話パケットが適切に扱われているのかなど、様々な不安を抱えながら開発を行っている状態でした。
 

課題は解決されましたでしょうか?

瀬戸口さん

瀬戸口さん:
コンサルティングしていただく中で、診断シートをご準備いただきました。診断シートを用いて、どのような環境で問題が発生するのかを切り分けていただきました。実際にログを取得、解析していただき、原因を追求していただきました。

片通話に関しては、STUN を使うことで問題が解消するのではないかとご提案を受けました。実際に試してみたところ、片通話の問題を無事解決することができました。

また、音声品質に関しても、アプリ側と IP-PBX 側の両方の観点で、どういったパラメータのチューニングを行えばいいのか様々なご提案をいただきました。他社製の通話エンジンでは改善することが難しかったのですが、ageet社の AGEphoneCloud ベースの 通話エンジンを開発していただくことにより、音声品質が大きく向上しました。

国内メーカーへのこだわり、専門的なコンサルティングに満足

なぜageetを選ばれたのですか?また、当初は技術コンサルティングからスタートして、その後、資本業務提携まで至った理由をお聞かせいただけますか?

松原さん: 
「トビラフォン Cloud」のリリースにあたり、音声品質などの問題を抱えていた際、自社の力だけで改善を行うよりも、より専門的な企業にご協力いただいた方が品質を向上できるだろうと判断しました。当社は一定のサービス品質を確保するため、国産のサービスにこだわりを持っているので、コンサルティングも出来る限り国内の企業にご協力いただければ、と考えていました。
その中で、国内企業であるageet社の名前が挙がったのです。IP電話業界で高い実績を持つ企業であることも以前から認知していましたので、この機会にぜひお願いしてみたいと思ったのです。

実際にコンサルティングをしていただき、様々な問題解決にご協力いただく中で、高い満足感を得られました。IP電話の領域に関して長年ノウハウを蓄積されており、専門的なコンサルティングサービスを提供していただけることがよくわかりました。この先も当社のサービスを技術的に支えてくださる存在として、ぜひ一緒に歩んでいただけたらと思い、資本業務提携に至りました。
 

当社としても、引き続き深いお付き合いができて嬉しく思っております。ありがとうございます。

障壁を突破し、高品質のモバイル電話サービスに

今後の展望を教えてください

藤井さん

藤井さん: 
世界的に電話がクラウド化していく流れがトレンドになっています。クラウドPBXのシェアが固定電話より大きくなっている状況ですが、日本はクラウドPBXの導入がなかなか進んでいないように思います。これは市場でのクラウドPBXの認知が足りていないことや、日本ではクラウドPBXで0ABJ 番号が利用しづらいことなどが要因になっていると感じます。

さらに、日本人の安定した品質を好む志向も、クラウドPBX普及の障壁になっているように思います。クラウドPBXの場合、インターネット網を通っている以上、一般的な携帯電話に比べると品質や信頼性にまだまだ課題があると感じています。

そういった障壁に対し、「トビラフォン Cloud」に関してageet 社に技術的なサポートをいただきながら、“日本品質”として誇れるような高品質のモバイル電話サービスの実現を目指して行きたいです。

より良いサービスにしたいと思っておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

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